一冊の本。ONE BOOK STORE。

考え方が変わった。旅にでた。助かった。私を変えた。それは、たった1冊の本。

「禅学入門」でソモサン・セッパ!もう少しで悟れるか、目からウロコの禅入門書

私は梅雨明け前のこの季節が好きだ。

シトシトと雨がふって、ジトジトした湿気にまとわりつかれたと思ったら、今度は、ジリジリと太陽が攻めてくる。

庭はいつの間にか背の高い緑でいっぱいになっている。この時期の自然は、夏休みにやってくる孫とか、親戚の子供みたいだ。一方で泣きわめき、一方で遊べ遊べときかない。いつの間にか大きく成長していることに、ふと気づく。とにかく、賑やかだ。

 

 この時期に庭にでると、自然の営みに翻弄される人間ではなく、自然の一部としての人間を感じることができる。そういう雰囲気をより感じ味わいたいときに禅について知っているとよいと思う。鈴木大拙は海外に日本の禅文化を広めた人として知られている。金沢にある鈴木大拙館は、鈴木大拙本人を知るとともに、禅について学び行動する場所として一度は訪れてほしい場所である。

www.kanazawa-museum.jp

 

 鈴木大拙が英語で著した禅に関する入門書がある。An Introduction to Zen Buddhism(禅学入門)。その後、Die Grosse Befreiung(大解脱)というタイトルでドイツ語に訳された。そして、一冊の本ではなかったが「禅の真髄」というタイトルで邦訳したのち、「禅学入門」という邦題で世に出た。日本の禅学者が禅を全く知らない海外の人へ説明するために著した書籍の、著者本人による邦訳である。日本人が日本人向けに説明すると、日本人の根底にある禅的なものについては自明のために触れずにいるものを、海外向けとなるとそうはいかない。そこから説明しないといけないの?というところからの説明と なる。わかりやすいに決まっている。200頁という非常にコンパクトにまとまった入門書。本棚に一冊、特に「悟り-新見地の獲得-」と「公案」は何度も読 み直したい。また庭にでるのが楽しみだ。

禅学入門

禅学入門